校内研究
1.研究主題
「自己と他者・社会の理解を深め,望ましいキャリア観を育成する」
―――全教育活動を通じた4領域の取り組みから―――
2.主題設定の理由
本校では,教師のアンケートなどの結果から,「素直で真面目で優しく明るい生徒が多い」反面,「人とのかかわりを苦手だ」との回答が多く,生徒の抱える諸問題の解決にもこの「人との関わり」のスキルを習得することの必要性が感じられた。そこで,平成19年度からは,「話し合い活動を取り入れた授業実践」を,担任・各教科担任が,一人一実践の形式で全校体制として実施してきた。この取り組みの結果,平成20年度の生徒アンケートからは,前年度に比べ「人とのかかわりを苦手だ」と答える生徒が約3分の1に減少し,翌平成21年度2月のアンケートからは,苦手意識をもつ生徒が20%台まで低下している。また,研究会の中でも各授業の取組みを通して,「生徒の話し合い活動への苦手意識がなくなった。」「生徒間の円滑なコミュニケーションが図れるようになった」などの意見も寄せられた。これは,話し合い活動を授業に取り入れることによって,生徒同士がかかわりをもちながら学習を進めることが,本校全体としてある程度定着してきたことを示している。また,その結果として学習意欲の向上や,自ら学ぼうとする姿を見つける場面が見られたことからもわかる。
また昨年,平成21年度からは,県教育委員会から3年計画での,「児童生徒キャリア育成推進事業」の研究協力校としての指定を受けている。キャリア教育は「児童生徒一人ひとりのキャリア発達を支援し,それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態度を育てる教育」と定義されており,キャリア発達とは「自己の知的,身体的,情緒的,社会的特徴を一人一人の生き方として統合していく過程」とされている。県教育委員会では,これを受けキャリア教育を「児童生徒が将来に対して夢や希望を抱き,学ぶことや働くことの意義を理解し,意欲を高め,社会人・職業人として自立して生きていくための基礎となる能力や態度をはぐくむ教育」と位置付けている。このことは,「子どもたちが『生きる力』を身に付け,社会の激しい変化に流されることなく,それぞれが直面するであろう様々な課題に柔軟にかつたくましく対応し,社会人,職業人として自立していくことができるようにする教育」であり,本校教育目標である「自ら進んで学び,たくましく生き,志を育てる生徒の育成」にまさに一致している。
さらに,キャリア教育の目指す,四つの能力領域のうち,「人間関係形成能力」「意思決定能力」の二つは,前述の通り本校がすでに継続的に取り組んできた,「人と関わる力」や「コミュニケーションをとる力」である。
本年度は,これまで取り組んできた,この二つの視点に加え,さらに残り二つの能力領域である「情報活用能力」「将来設計能力」について全校体制で研究し,教職員全体でキャリア教育への意識を高めることを目標としている。その結果,本校教育目標の達成にむけた取り組みができると同時に,本校の「キャリア教育」が目指す「生徒の自己理解を深め,個性の伸長を図るとともに,将来の生き方を考え,自己実現をめざす能力や態度」を育てることができるものと確信している。
『小学校・中学校・高等学校キャリア教育推進の手引き』(平成18年11月)では,「学校行事や総合的な学習の時間における体験活動,道徳の時間等は,生徒の内面的価値形成やキャリア発達を促す上での有効な時間となる。学校は,それらキャリア教育に関わる内容に配慮した年間指導計画や授業計画を工夫することが大切である。」としている。今年度はこれらに留意し,キャリア教育ではぐくむ能力領域全体に研究範囲をひろげ,教育活動全体を通してキャリア発達を育成する取り組みを行いたい。
さらに小・中・高連携により,継続かつ一貫したキャリア教育の推進によって,児童生徒が,生涯にわたって自分を見つめ,考え,行動することを通して自己実現をはかり,社会に自立していく手立てとしたい。
よって,今年度の研究主題を「自己と他者・社会の理解を深め,望ましいキャリア観を育成する」―全教育活動を通じた4領域の取り組みから―に設定した。
3.研究内容
| (1) | 各学年の学活・道徳・総合などの取り組みに,キャリア発達の4領域の内の,「意思決定能力」「情報活用能力」「将来設計能力」の3領域について,意識し再構成した授業研究を行う。 | |
| (2) | 教科研究部において,「話し合い」活動を導入し,人間関係形成能力を高める授業づくりをする。 | |
| (3) | キャリア教育研究部として,来年度の公開に向け,小・高との連携をはかりながら新たな実践を行う。 |
4.研究推進組織と研究方法
1)研究推進組織
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2)研究方法
| (1) | 教育部会内の研究と、キャリア教育研究部会の研究を併せて行う。 | |
| (2) | 全教師による授業の実践を「一人一実践」とし、校内研究で設定する授業研究は、全体研究会とする。 | |
| (3) | 生徒の実態調査を行い、成果の変容を分析する。アンケート項目は、研究推進委員会で検討し実施する。 | |
| (4) | 学年部会でのキャリア研究の部会に教務部も参加する。 |

